十二指腸潰瘍について
十二指腸潰瘍は空腹時に起こります。
また黒色便が特徴です。
病院では上部消化管十二指腸検査により発見します。
ピロリ菌に感染している事が多いです。
鎮痛薬の服用がこの病気の原因になっていることもあります。
ストレスも原因になりやすいです。
消化管出血による貧血が見られたりします。
十二指腸潰瘍は空腹時に起こります。
また黒色便が特徴です。
病院では上部消化管十二指腸検査により発見します。
ピロリ菌に感染している事が多いです。
鎮痛薬の服用がこの病気の原因になっていることもあります。
ストレスも原因になりやすいです。
消化管出血による貧血が見られたりします。
現代の検査は一昔前に比べ、飛躍的に進歩しています。
人間のあらゆる部分やあらゆる病気がわかるようになりました。
検査の進歩は機械の進歩でもあります。機械は人間が一から作り出したものです。それゆえ、その構造やメカニズムはすべて人間が把握しています。それゆえ、研究すればするほど機械は飛躍的に進歩するのです。それゆえ、いままでわからなかった、病気やその兆候が把握できるようになりました。
ところが、検査により判明した病気が治せない場合が増えてきています。
これは、なぜでしょう?
人間は機械ではありません。残念ながら完全な人造人間も作られていません。
人間には、まだわからないことが多すぎるのです。
現代医療も機械が有効な部分での治療(手術や放射線など)は飛躍的に進歩しました。しかし、薬物療法はどうでしょう。
現代の薬品は、全てが解明されている機械と違って、開発はあくまで、100%完全ではない解明されている事に、推論を積み重ねてゆく方法しかありません。つまり、手探りの状態に近いのです。
検査機器の発達に、治療法が追いつかないのが現状ではないでしょうか。
検査によりわかった病気の治療法がない場合、はたして検査したことが本当にその人の為になるのかどうか、これは非常に疑問です。
漢方の古書に、「全ての病気は意識、無意識のストレスにより起こる。」と書かれています。
某新聞のコラムに、ある精神科の大家が体調の悪くなり弟子に病院に検査を受けに行くよう進められたそうです。そのとき大家の先生は「なに、ほおっておけば、いつか治るさ。」と言って行かなかったそうです。ところが、一向に体調は良くならず、やがて歩くのもまま無くなってきたそうです。弟子が見かねて今度こそ病院に行ってくださいとお願いすると、大家先生は「なに、ほおっておけば、いつか死ぬさ。」と答えたそうです。この大家の先生を愚な人と見るか、すごい人と見るか、皆さんは、どう考えられるでしょうか。
人間の体は長い歴史の中で、本来食べていた物に体が対応しています。
例えば欧米人は肉食中心で、パン、乳製品を沢山取るため、腸が日本人より1メートルも短く、腐りやすいたんぱく質を早く排泄出来るようになっています。香辛料を多量に使うのは、この腐りやすい、たんぱく質を早く消化させるためです。
対して、日本人は、お米と野菜、魚を中心とした食事をしていました。繊維質を多く取るため、繊維はなかなか消化出来ないので、腸が長くなったわけです。
ですから、日本人が欧米型の食事をすると、お腹の中で食物が腐りやすくなり、大腸ガンなども増えています。欧米では、「日本の食事は非常に良い」と食生活に取り入れているのに、日本人は、欧米型の食事を中心にする方が多く、逆に病気になりやすくなってきています。
「ご飯と味噌汁」という食事は日本人の基本。味噌、発酵した大豆は体に非常によく、酵素の補給や植物性たんぱく質としても栄養があり、女性ホルモンの代わりもして骨粗しょう症予防に大変良いことも分かっています。
欧米型の食事で、体格が良くなっても、病気に弱く、アレルギーや癌の人が増え、体内発生ガスで体臭が臭い人が増えるのでは本末転倒です。日本人は日本食中心で、そこに適度のたんぱく質が入るのが最もバランスが良いと思います。
■現代医療にヒントを与え、補完する漢方■
中国紀元前の古典『周礼(しゅらい)』によれば、四科の医科制度「食医」「疾医(内科系)」「瘍医(外科系)」「獣医」があり、その中で最も重要視されていたのが「食医」でした。
人の健康で最も大切なのは食事です。
漢方が無くならないのは、「薬食同源、医食同源」と言われるように、「食」を中心に考えられているからです。
食養生を示さないで使用する漢方は、漢方ではありません。
ゆえに漢方は、食事を食べれば元気が出るのと同じように、正しい処方を出すことが出来れば100%効果が表れます。ただ、人間の症状は一人一人複雑な個性があり、また周りの環境も違い、体の中でも、冷えている部分と熱の部分があり、それにピッタリな処方を一度で出すことは名人でも至難の業です。実際、世界トップクラスの大学で能力も優秀な漢方を学んだ医者でも、「漢方は10人飲んだら3人効くと思えばいい、ダメなら別の処方、5つも出せば効くでしょう。」と言っています。
科学である西洋医学は分析により発達してきました。
体を各臓器などに分けて解析して病気を考えてきました。実際、診療科はどんどん細分化される傾向にあります。
しかし、人間はあくまで一つの生命体です。すべての臓器やシステムはつながっています。
最新の科学的医学もNHKの番組「人体・神秘の巨大ネットワーク」で取り上げられたように、バラバラに考えられて来た臓器や細胞がダイナミックな情報交換により身体を支えているということが解かってきました。これは真に病気を特定の臓器だけで考えず、体全体のつながりとバランスを重視する、漢方やヒポクラテスの考えに再び近づいているようにも思われます。
また、漢方では太古の頃から治療に考慮される事として、「季節(時間)」「個体差(性差含む)」「年齢」「地域」「環境」なども重要視されます。現代医学でも性差医療や時間医療などが科学的にも証明され、漢方の考え方の後押しをしている様にも見えます。
現在、医師のなかでも総合診療医を目指す方が増えているとも聞きます。
科学が発展し体の部分と、そのつながりが全て解明され、人間の全てのメカニズムを意のままにコントロールし修復できる様になるまで、科学的思考ではなくとも人体全体からバランスを考える漢方は、これからも人々の健康に大きく貢献し続けることが出来るのではないでしょうか。
■第六話:科学的医学に駆逐されかけた漢方■
科学である西洋医学が、明治の近代日本に採用され医学の中心となったとき、漢方は存亡の危機に陥ります。
それまで医療の中心であった漢方医は医業を行えるものは既得権として一代限りとなり、以後は西洋医学のみでしか医業は行えなくなります。
一方、中国でも中国伝統医学(中国の漢方)は西洋医学に大きく揺さぶられ、漢方からも西洋医学と融和を模索する流派なども出現し、西洋医学と東洋医学(中国伝統医学)の大きなせめぎあいが起こります。
科学である西洋医学と、科学と別の思考体系を持つ漢方。
この二つの融合については、すでに1892年に中国の朱沛文によって著された「華洋臓象(腑)約纂(別名:中西臓腑図象合纂)」のなかで、結合することは不可能であるとの趣旨が述べられています。
漢方は、漢方的思考での使用によって本来の効果を発揮する事が出来ます。
故に、ある意味西洋医学に対立する思想をもつ漢方に、科学的バイアスをかけた使用法は、小柴胡湯やその他の漢方薬の副作用を増長している現実があります。
実際に、漢方的思考で使用された漢方薬は、副作用はほとんどありません。なぜなら、漢方の多くは食事の五味(酸、苦、甘、辛、鹹)の延長上に作られた処方が多いからです。
続く・・・・。
■第五話:徹底した正確な人体解剖学と西洋医学の復興■
西暦200年頃からのガレヌスの学説から、その後約1500年近くも停滞した西洋医学の復興は、やはり人体解剖から始まりました。
14世紀から15世紀にかけてイタリアで始まったルネッサンスは、やがて医学にも影響を及ぼし、16世紀にはいると人体解剖の天才ヴェサリウスが登場します。
ヴェサリウスは代々、学者や王家の待医で、幼少の頃から自宅の裏に広がる森の丘にある絞首刑台で受刑者が朽ち果てていく様子などを日常的に見ていたためか、思春期の頃から動物の解体に異常な興味を抱き、身の回りのあらゆる生き物を手当たり次第に解剖します。
そして解剖の腕を上げて医学生となったヴェサリウスは、人体解剖においてもすぐに腕を認められ解剖実習の助手となり、更に大学の解剖の実習では飽き足らず、夜な夜な墓場を掘り返し、屍肉と腐臭にまみれながら嬉々として解剖に明け暮れ研究に没頭し、若干23歳にして名門パドヴァ大学の外科学と解剖学の教授に就任しました。
そして、1543年ついに当時の医学界の常識を根底から覆す精密な解剖学書「ファブリカ(人体構造論7巻)」を発表します。この大解剖学者ヴェザリウスの書物は、それまで金科玉条とされてきた西暦200年頃からのガレヌスの学説を打ち砕き、西洋医学の大革新の火ぶたを切ったのです。
西洋医学は、その後も顕微鏡の発明など、目に見えるものを忠実に観察、考証し、人体をバラバラにして分析(物事をいくつかの要素に分け、その要素、成分、構成などを細かい点まで調べる事)し、病気に対抗していく科学的手法により発展して行きます。
また、外科的解剖を基礎に置く西洋医学は、特に戦争時の負傷者の治療に大変有効で、近代国家が多くの戦争を経験する度に科学技術と共に発展し、日本でも富国強兵を国是とした明治時代に国の正式な医療となり、多くの検査機器の登場も進み現代医学の中心となり、不動の地位を確立します。
それでは、なぜこの科学万能の時代にも、解剖などをあまり重要視しない、ある意味科学的でない理論に基づく使用法が必須な漢方が利用されるのでしょうか?
続く・・・・。