2018年1月 【第一話】病気の治療の始まり
「漢方薬」と聞いて皆さんは、どの様なイメージを持たれているでしょうか?
「天然の生薬で出来ていて体に優しい」、「長く飲まないと効かない。すぐには効かない」「値段が高い」「副作用がある?無い?」。
漢方薬を理解するには、昔の人たちが、どうやって病気を治してきたかを知るのが近道です!
こちらでは、人間の病気の治療の歴史を交えて、漢方を理解したいと思います。
■第一話:巫女たちの医療■
何千年も前、病気は神や悪魔や、邪気など超自然的なものが起こすと考えらていました。
ゆえに太古の医療は、「占い」や「祈祷」を行っていた人々、つまり西洋では占い師や預言者や神職者、中国では「巫」(ミコ、神仕えする人)が行っていました。
この医療は、呪術的医療といい、宗教と魔術と医療は一体となっていて、邪気をはらう「呪術医」や「魔法医」、「シャーマン」や「メディシン・マン」、そして中国では「巫医」が登場します。
これら呪術的医療を行う人々の一部に、やがて薬物などの治療に必要な知識を身に付ける人々が現れます。
そしてついに、西洋ではギリシャ時代の紀元前460年~370年頃に医学の父「ヒポクラテス」が登場し、中国では紀元前770~476年の東周の春秋時代に、呪術的医療から分離し、医療を専門とする医師(薬師)が現れました。
では、医学の始祖で、世界で最も有名な医学の古典文献「ヒポクラテス全書」や、現代の医師も学ぶ「ヒポクラテスの誓い」でも有名な、古代ギリシャのヒポクラテスは、どのような考えで治療を行ったでしょうか?